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ノスタルジック解説ブログ

(5)上毛温泉めぐり【大正15年「上毛の温泉」より】

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(5)上毛温泉めぐり【大正15年「上毛の温泉」より】

この文章は、大正15年に発行された「上毛の温泉」の内容です。又、旧字や現代では使用しない漢字、旧仮名遣いなどは読みにくいために、現代様に改めました。


(5)上毛温泉めぐり

 療養に、避暑に、遊覧に、一湯を心ゆくまで味わうことに、つきざる価値と趣とのあることは勿論であるが、一日一湯宛をあさって、日ごとに異なった情調、違った山水に接することにも亦、つき難い趣がある。

 わが上毛の地に、一度足を踏み入れんか、一日一湯を味わうて、二週日、三週日に至るも、まだあさり切れぬところに、わが上毛の、温泉郷として誇るべき所以があるのである。

 病ある人は、一湯に二~三週日を過ごして、温泉の霊能によって健康を恵まるるもよかろう。

 余裕ある人は、一湯に永く滞在して、心行く迄温泉情調を味わい、或いはひそかに思いを練り、或いはその自然と語るもよかろう。

 又多忙の人は、時を選び所を選りて一日~二日の清遊を楽しむもよかろう。

 頑健の士にして一~二週日の日を得、大に体を錬り、気を養わんとする人は、須らく草鞋を穿ち、バッグを背負うて、上毛温泉めぐりをせられんことをすすめる。

 この種の人の為に、二~三の旅行程の例を示そう。


(1)上毛温泉めぐり
旅行日数:十六日
経費概算:四十円より四十五円迄。
第一日:東京発、信越線、松井田下車。妙義登山。磯部へ下り磯部鉱泉宿泊。
第二日:磯部発、信越線軽井沢にて草津電鉄乗換、草津宿泊。
第三日:草津発、白根登山。万座温泉宿泊。
第四日:万座温泉発、万座山登り、鹿澤温泉宿泊。
第五日:鹿澤発、河原湯宿泊(徒歩)
第六日:河原湯発、澤渡温泉、四萬温泉宿泊。
第七日:四萬発、渋川迄自動車、電車にて伊香保行(四萬より中之条まで徒歩よろし)
第八日:伊香保名所見物、榛名登山。
第九日:伊香保発、渋川迄電車。渋川より上越線にて沼田下車。自動車にて湯宿迄。法師宿泊。
第十日:湯島宿泊。
第十一日:法師初、湯宿より月夜野迄自動車。月夜のより小日向まで自動車。湯檜曾宿泊。
第十二日:湯檜曾発。谷川、湯原宿泊。
第十三日:湯原発。徒歩にて沼田着。
第十四日:沼田発、赤城登山(沼田口にてもよし、敷島口でもよし)。
第十五日:黒檜山へ登り水沼口へ下山。足尾線にて桐生へ。東武線にて薮塚下車。薮塚又は西長岡宿泊。
第十六日:同所発。東武線にて帰京。


(2)上毛温泉めぐり
旅行日数:九日間
経費概算:二十五円位
第一日:東京発、上越線渋川駅下車。伊香保宿泊。
第二日:伊香保滞在。榛名登山。
第三日:伊香保発。電車にて渋川迄。渋川より中之条迄自動車。中之条より四萬徒歩、四萬宿泊(自動車あれども、徒歩面白し)
第四日:四萬発。澤渡温泉経由、河原湯宿泊。
第五日:河原湯初。徒歩にて草津温泉宿泊。
第六日:草津より白根登山。万座温泉宿泊。
第七日:万座温泉発。鹿澤宿泊。
第八日:鹿澤発。嬬恋峠迄徒歩。草津電鉄にて軽井沢迄信越線にて磯部宿泊。
第九日:磯部発。妙義登山。松井田へ下り、松井田より信越線にて帰京。


(3)利根温泉めぐり
旅行日数:八日間
経費概算:二十円~二十五円
第一日:東京発、上越線沼田下車。湯宿着。湯宿又は湯島宿泊。
第二日:法師宿泊
第三日:法師発。湯宿迄徒歩。湯宿より月夜野迄。月夜野より小日向まで自動車。湯原又は谷川宿泊。
第四日:湯檜曾宿泊
第五日:湯檜曾発。沼田宿り又は川場宿泊。
第六日:同署発。老神宿泊(徒歩よろし)。
第七日:老神発。東小川宿泊又は健脚なら菅沼を左に見、金精峠を越えて湯元宿泊。
第八日:湯元発。中善寺を通り日光より帰京。


(4)上毛三山めぐり
旅行日数:五日間
経費概算:十五円
第一日:東京発。松井田着。妙義登山。磯部宿泊。
第二日:磯部発。前橋又は敷島下車。赤城登山。赤城宿泊。
第三日:黒檜、鍋割又は地蔵登り。渋川口へ下り、伊香保宿泊。
第四日:伊香保発、榛名登山。(伊香保へ下れば同所宿泊)。倉田村方面へ下り、三ノ倉より高崎迄自動車。高崎より帰京。
第五日:伊香保発、帰京。


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