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ノスタルジック解説ブログ

那覇市の名所旧跡・波上宮【昭和12年「沖縄案内」より】

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那覇市の名所旧跡・波上宮【昭和12年「沖縄案内」より】

この文章は、昭和12年に刊行された「沖縄案内」の内容です。又、旧字や現代では使用しない漢字、旧仮名遣いなどは読みにくいために、現代様に改めました。


波上宮

 新来の客は、先ず官幣小社波上神宮に参拝するを常とする。宮は若狭町にあって、海岸に突き出した断崖の上に建てられ、沖縄第一の霊社で、本宮は伊弉冉尊、相殿は左に速玉男尊、右に事解男尊の三神を奉祀してある。毎年五月十七日大祭を行い、市民行を休み種々の余興を行って最も殷盛を極める。

 その装置る縁起などは明確でないが、国土経営の神として熊野権現より勧請したと伝え、明治二十三年、官幣小社に列せられた。神宮の宝物、朝鮮鐘は九百七十年前の鋳造にかかり、世界に現存する朝鮮鐘四十六個の中時代の古きこと第六位を占め、明治四十年、審査の結果、国宝に指定された。又、古来神社境内におかれてあった隕石は、社務所の保存されているが、土俗学上、価値多きものである。

 波の上は方言ナンミンと称し、周囲のサンゴ礁と馬歯山(ケラマ島)の風光と併せ雄大なる景色であるばかりでなく、古来、観月納涼又は海水浴場としての名所で、公設プールの設けもある。絶壁下の奔騰飛散する浪速の壮観は言わん方なく、夏の頃、夕陽慶良間嶋の後方に浸せんとする頃よし続々来集する納涼客、幾百人なるかを知らず、紳士あり、学生あり、労務者あり、淑女あり、遊女あり全く自由平等の楽天地で深夜なお人が絶えない有様である。朝は未明より海水浴で賑わう。

昔眺めたる波上の御月 今におもかげの照りよまさて(千瀬節)

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