この文章は、昭和12年に刊行された「沖縄案内」の内容です。又、旧字や現代では使用しない漢字、旧仮名遣いなどは読みにくいために、現代様に改めました。
仲毛
大門前の東裏手、東町附近を仲毛と称す。この地、海中の中洲にして草原なりしより名づけられしものである。後世、埋め立てて東村に属しせしめたが、仲毛より薬師堂濱、即ち硫黄城下(現農工倉庫裏)に至る道路は、天明二年の開通で、俗に魚町下がりと称えていた。旧藩時代は市民、仮屋の前を通行するを避け、専ら此の東道によったので、商店早く開け、東町屋と呼んでいたのである。