この文章は、昭和12年に刊行された「沖縄案内」の内容です。又、旧字や現代では使用しない漢字、旧仮名遣いなどは読みにくいために、現代様に改めました。
大門前
現在の久米電車通り、即ち国道交差点より西武門停留場に至る坦々たる道路を久米大道といっていた。其の東口を大門、又は久米大門と称し、西を西門(北門の意)と称す。大門は東町との境に当たり、西門は若狭町との界を為す。大門より以南、昔の那覇町(市役所前)に至る間の大通りが即ち大門前である。四十年位前迄は、此のあたりも石垣を以て囲んでいたということであるが、現在に於いては商屋甍を並べ、最も殷盛を極めている。