この文章は、昭和11年に発行された「小樽商工名録」の内容です。又、旧字や現代では使用しない漢字、旧仮名遣いなどは読みにくいために、現代様に改めました。
オタモイ地蔵尊
神秘と奇によって授子、授乳を願う婦人は云うに及ばず、老若男女の区別なく参詣絶ゆることがない。赤岩続きの絶景地。当市、蛇の目寿司店主、加藤秋太郎氏はこのオタモイに巨万の財と所有犠牲を払い、天然の景に人口の美を配し一大遊園歓楽境を建設した。数十丈の断崖に龍宮城を想い浮ばしめる紅白など色とりどりの龍宮閣あり。或いは絶壁の海岸トンネルをくぐりながら海水岩に当たりて白玉と砕け散り、幾多の大船小舟行き交う様を眺むる景雄大実に国立公園以上の勝地として推賞し得る。