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ノスタルジック解説ブログ

熊の子の飼育【大正15年 「アイヌの熊狩と熊祭」より】

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熊の子の飼育【大正15年 「アイヌの熊狩と熊祭」より】

この文章は、大正15年に刊行された「アイヌの熊狩と熊祭」の内容です。
又、旧字や現代では使用しない漢字、旧仮名遣いなどは読みにくいために、現代様に改めました。



熊の子の飼育

仔熊の食物

 
春三~四月頃に穴狩又は追狩をすると、仔熊は獲れることがある。この仔熊は皆アイヌに依って飼育される。熊の仔は非常に甘いものを好むから、捕らえた仔には直に砂糖か又は密を興える。それからアイヌの婦女は仔熊を捕らえると、直に自分の足の裏か、或いは腋の下とを舐めさせて自分の臭気を知らせ、熱心に飼育するのである。

斯くして大抵二~三日の中には能く人に狎れるようになる。而して暫くの間は飼猫などのように室内に置き、粥の如きものを興える。稍成長すると、檻に入れ穀類、煮た魚、コジャク(繖形科の植物)の根茎或いはウクリキナ(ギバウシ、百合科)の茎葉などをよく煮て興える。旭川市近分のアイヌ部落では師団拂下の残飯に魚の煮汁などを混じて飼育して居る。又、屠殺場から牛馬の骨を買ってきて興えるようなこともある。

斯くして二歳までは非常に温和であるが、三歳になるとそろそろ彼の本性を現して獰猛になる。それで三歳になると、遅くとも三月までには熊祭をして殺してしまう。


仔熊を飼育する檻
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