この文章は、昭和12年に刊行された「沖縄案内」の内容です。又、旧字や現代では使用しない漢字、旧仮名遣いなどは読みにくいために、現代様に改めました。
天尊廟
護国寺の東に接している。内部の中央に天尊、右に天妃、左に関帝を祀ってある。天尊は中心に、左右に脇侍、前に左右相対して二対の侍神が立ち、七体一群をなして壇上に安置されてある。壇の下には雷公が天尊に向かって立ち、一対の麒麟が狛犬の位置に据えられている。
天紀は天紀廟から之に移されたものである。廟内にある三口の鐘は何れも景泰年間の琉球製で一口は景泰七年(皇紀2116)尚泰久王時代の作である。尚巴志王三年、下天妃廟創建の條に言う。
天尊廟は昔、閩人本国に帰化する者、廟祠を創建して国の祈福を為す。之を以て考うれば上天妃廟・龍王殿また、この時に建てられしか?又曰く、龍王殿は元三重城に建ててあったが、年久しくて久米人之を上天妃廟前に移建したと。