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浴客の心得【大正9年 別府温泉案内より】

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浴客の心得【大正9年 別府温泉案内より】

この文章は、大正9年に刊行された「別府温泉案内」の内容です。
又、旧字や現代では使用しない漢字、旧仮名遣いなどは読みにくいために、現代様に改めました。



浴客の心得

 大別府温泉場に現在二百有余の旅館がありまして、いずれの旅館にも宿泊料は旅籠・木賃の二種に分かれています。旅籠は各地にある普通旅館のように、一泊二食付き何程と定むるものであります。

 木賃賄とは別府特有の極めて面白い宿の取り方であります。これは決して下等旅館という意味ではありません。ただ、賄いの方法が自炊的でいわば、浴客本意にできたものであります。それ故に上中下、いずれの旅館にも木賃、旅籠、何方でも客の好みに随うことになっています。

 木賃の方法は、宿からの朝夕の味噌汁、香の物、湯茶三度の御飯等は炊いてくれます故、副食物は好みの品を宿に命ずるか、自身で料理するなり、仕出し屋から取り寄せるなり、心まかせで好きな物を食べられ楽しみであります。

 その他布団、浴衣、褞袍等宿泊に要する物品は、規定の料金で客の求めに応じ貸してくれます。

 木賃は客の多い場合は合宿することになっていますから、もし家族連れ等で合宿を嫌う方は、一室貸切もできます。一室菓子きりは畳一枚に付き、一日金二十銭以上三十銭迄。


木賃料規定

 一等木賃、金六十銭、二等金五十銭、三等金四十銭

 一、着布団は一枚に付き金八銭以上二十五銭迄。
 一、敷布団は一枚に付き金五銭以上十五銭迄。
 一、蚊帳は金十五銭以上三十銭迄。
 一、褞袍は一枚に付き金十銭以上二十五銭迄。
 一、浴衣は一枚に付き金五銭以上十銭迄。
 一、十歳未満の小児は木賃料半額。
 一、木炭、米飯の代は時価にて申し受くる事。


旅館料規定 (一泊二食付き)

特等金五円、一等金四円、二等金三円、三等金二円五十銭、四等金二円、中食料は特等二円より四等八十銭迄。


湯銭

 
湯銭は宿泊人(木賃、旅籠共)一人に付き一日金三銭、宛町役場に納入に付き申し受くる事になっています。
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