この文章は、大正9年に刊行された「別府温泉案内」の内容です。
又、旧字や現代では使用しない漢字、旧仮名遣いなどは読みにくいために、現代様に改めました。
二條温泉
別府港桟橋より南方約二丁余、竹瓦温泉より北方約一丁余、鶴田町の一角にありまして、鶴田道造氏の私有温泉浴場だと伝えられます。
依然は極めて不潔な浴場でありましたが、大正二年頃に改築しましたもので、綺麗な二階建ての浴場であります。浴場内には砂湯の設備もあります。
温泉浴の効能としては、リウマチス、神経痛、婦人病等に効験ありと伝えられます。
特にこの浴場の二階広間は真宗の説教所になっていますから、浴客は身も心も洗い清めて、仏法の道を修め、安心立命の心理を会得することが出来る、誠に結構な浴場であります。